デイサービスにいってみよう!体験利用から契約までの流れ

「おい!おかん。近所の婆さんの友達がみんな引っ越したり老人ホームに入ったからって、ひとり暮らしで毎日家に引きこもってたらあかんで。着替えもせんと髪もボサボサで……。しばらく来ぃひんかったら、足もヨタヨタやんか。このままやったらボケてまうから、デイサービスでも行ってき!」

こういわれて素直にデイサービスに行くお年寄りがいたら、逆に見てみたいものです。

たいがいのお年寄りは、ほどほどに元気なうちは、まずデイサービスをすすめられると「行かへん」と拒否をするのが普通です。まれに、自分から喜んで行く方もおられますが、ごく少数派だと思ってください。
運動不足やボケる(認知症になる)のを心配した子や嫁や孫にせっつかれていやいや足を運ぶ……これがデイサービスを利用する第一歩になったとしましょう。

目次

そもそもデイサービスには、どんな種類があるの?

デイサービスには
・定員18名以上(20〜50人)の大規模デイサービス
・定員18名以下の地域密着型デイサービス
・定員10名以下の小規模デイサービスなどがあります。

定員18名以下のデイサービスは、地域密着型といい、住民票のある市町村のデイサービスにしか通えません。

他にも
リハビリを行うことを主な目的とした
・通所リハビリテーション
⇨認知症の型を対象にした
・認知症対応型通所介護
⇨比較的、からだが元気で運動したい人が通う
・運動型、リハビリ特化型デイサービスも人気です。

まずは、自分に合ったデイサービスを探してみましょう。

初めての場所って不安 ひとりぽつんと取り残されないかしら おしゃべりする人はできるかな?

ご高齢の方は、いままでの生活習慣を変えることにストレスと不安を覚えます。それは若い人と違い、新しい環境に適応することが困難だと感じているからです。周囲がそんなお年寄りの気持ちを理解し、温かい目でみまもり誘導すれば、デイサービスに通い馴染むまでの過程もスムーズに運ぶでしょう。

ほとんどのデイサービスには『体験利用』といい、契約の前に1日おためし利用ができるようになっています。
『おためし利用』は何ヵ所行っても、何回行っても制限はありません。
料金は無料ですが、600〜800円程度の食事代の負担は基本あります。
しかし、新型コロナウィルスの終息するまでは、複数ヵ所のデイサービスを何回も体験利用することは、感染のリスクも高まることを理解しておきましょう。

体験利用といっても、1日身体を預けるわけですから、転倒など介助による事故のないように、あらかじめ病気のことや身体の不自由なところをケアマネージャーさんから体験するデイサービスに伝えてもらいます。

1.ケアマネージャーさんと相談し、体験してみたいデイサービスを決める

パンフレットを持ってきてもらったり、お子さんやお孫さんがインターネットで調べることができれば、印刷して見せてあげてもいいでしょう。ご近所の方の口コミも参考になります。


2.デイサービスから、前日に持ち物や送迎時間の連絡が入る。

ご本人がしっかり受け答えできる場合はご本人に。ご家族が対応した方がスムーズにいく場合は、ご家族に連絡がいきます。
バイタルに問題がなければお風呂に入れてくれるところもあるので、希望するならお風呂の用意もしていきましょう。


3.体験利用当日

出発前までにお手洗いは済ませて、使用されているなら予備のリハビリパンツやパットも持っていきます。
はじめてのご利用でおひとりで行くのが不安な場合は、ご家族が付き添ったり、ケアマネージャーさんにいえば、ついて来てくれることもあります。
新型コロナウィルスの流行が終息するまでは、家族やケアマネージャーさんの付き添いを受け入れてくれるところは少ないかもしれません。
しかし、家族やケアマネージャーさんが付いていることで、ほかの利用者さんとの会話を取り持ってもらえたり、職員さんもより注意してみてくれることがあります。
なにより、慣れ親しんだひとがそばに居てくれることで、ご本人も初めての場所でも気おくれせずに安心して過ごすことができるでしょう。


4.帰宅してから

体験利用の当日は、気持ちも緊張して身体も疲れていることが多いのでゆっくり休みましょう。
良さそうだから行ってみようかなと、すぐに利用を決めてもいいですが、ひと晩ゆっくり寝て落ち着いてから考えてみたほうが、きちんとした判断で答えが出せることもあります。


5.後日 

体験利用でご契約に至らなかった場合は、さらにほかのデイサービスの体験利用。デイサービスはやめて訪問型サービスの利用を検討するなど、違う選択肢にすすみます。
〝職員さんが優しかった〟〝ご飯がおいしかった〟〝隣のひとが話しかけてくれて楽しかった〟など、ご本人が行ってみようという気持ちになり、ご家族も同意されたら、つぎにデイサービスと契約を結ぶことになります。

6.ご契約

契約にはデイサービスの管理者さんか生活相談員さんが自宅を訪れます。契約書、重要事項の説明をして署名・押印していただきます。

【20~30分程度】
その他に
◎ご利用曜日の決定
◎お迎えと送りの送迎時間の打ち合わせ
◎緊急連絡先の記載(できれば2か所ほど)
◎飲んでいるお薬の確認
◎主治医、緊急搬送先の確認
◎介護保険証 負担割合証の確認
◎さらに詳細な身体の状態、病気の状態の聞き取り
◎アレルギーの有無 食事の希望
などを打合せます。
【30分程度】
※ご契約には一時間程度の時間がかかるため、ご家族も時間に余裕をもって同席しましょう

7.サービス担当者会議

〝ディサービスに通う〟ということは、新たなサービスが増えるので、ケアマネージャーさんの立てたケアプランが変更されるということです。ご契約と前後して〝サービス担当者会議〟が開かれます。杖や歩行器などの介護ベットを借りている。ほかにヘルパーさんに来てもらうなどサービスを利用されている場合は、福祉用具相談員さん、ヘルパー事業所のサービス提供責任者の方などがデイサービスの職員さんとともに自宅を訪れます。ご本人やご家族と一緒に情報の共有や今後のサービスを利用するうえでの具体的な目標などを設定します。
【時間の目安は30分~1時間以内】

人間は社会性のある生き物だから ひとりでいるよりは、みんなでいるほうが好き!

最初はデイサービスに行くのを嫌がっていた方が、これらの手順をふんでご利用へとつながり、友人や自分の居場所をみつけて活気をとり戻していくさまは、じつに微笑ましいものです。
今回は比較的、介護度の軽い元気なお年寄りをイメージして書かせていただきましたが、デイサービスは車いす使用や寝たきりの重度の方も受け入れています。
重度の方の利用目的が介護者の疲れをとるためや、ご本人の気分転換になりやすいことに比べて、元気なうちに行けば、より楽しめることがたくさんあります。
大勢の人と接することで、脳は刺激を受けて若返り、身体を動かすことはリハビリになります。

準備をして戸締りを確認し、時間までに家をでるという行為は、生活にメリハリをつけるでしょう。
「ひとりのほうが気楽でいい」と話していたお年寄りの方が、デイサービスに行くと人一倍よくおしゃべりしている姿には、よい意味で驚かされることがあります。
ひとは「社会性のある生き物」なので高齢になっても「週に2回以上は社会参加」をしたほうがよいといわれているのです。

「あれ、おかんどうしてん!? しばらく見ぃひんうちに髪の毛切ってしゃかしゃか歩けるようになって、なんか10歳若返ったみたいやで」

「めったに来ぃひんくせに、何お世辞いっとんの。髪の毛はデイサービスでカットしてもろてんで。でも、まぁ似合うやろ? 
どうせ小遣いせびりに来たんやろうけど、あたしゃまだまだくたばらんよ」

「なんかますます口も達者になっとるなぁ。歩くのもヨタヨタになってボケかけとったから心配しとったのに」

「あ、そやそや、車で来たんやったら隣町のデパートまで乗せてってや。デイサービスに着ていく服買いにいきたいねん!」

まとめ

・デイサービスの種類には定員20~50名程度の大規模通所介護と定員18人以下の小規模な地域密着型、定員10名以下の古民家型などの種類があります。定員18名以下のデイサービスはお住まいの市町村でしか利用できません。

・お試しデイサービスは食費の負担だけで回数制限なく行くことができますが、新型コロナウイルスの流行中は感染リスクが高まることに注意。

・高齢者は環境の変化が苦手です。無理強いはしないことと、おためし利用にはご家族やケアマネージャーさんの付き添いがあれば安心して出かけられます。

・ご利用がきまれば、きちんと詳細の説明を受けて、双方同意のうえで契約をします。サービス担当者会議で心身の状態をケアチームで把握し「デイサービスに通うことでこうなりたい」という目標をもって通所しましょう。

・デイサービスは重度の要介護者も受け入れていますが、元気なうちに行くことで友達ができたり、リハビリをして元気になれたり、より楽しめることがたくさんあります。
まずは、ケアマネジャーさんに相談してみましょう。

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