「すぐ入れ歯をなくしてしまいます。」 入れ歯がなくても食事はできますか?

高齢に伴い、歯を失い入れ歯を使用される方も多いと思います。
そういった中で、紛失トラブルやうまく使いこなせないといった問題はありませんか?

入れ歯は人それぞれの歯茎に合わせた特注品で、値段も非常に高価なものです。
そのため、入れ歯を作らず、歯茎のみで食事を摂取する方もおられます。

目次

入れ歯とは?

入れ歯とは、義歯と呼ばれる人工の歯の事です。
義足や義手などと同様に考えて頂ければ良いと思います。
使用する方の口腔内の形や状態に合わせ、最適な物を医師と相談し作成していきます。
義歯の作成は非常に精密で、型取りやかみ合わせなど、何度も調整する必要があります。

また、入れ歯にも種類があります。大まかには、全ての歯を失い、補う物を「総入れ歯」といい、一本~数本を補っているものを「部分入れ歯」と言います。
医療保険が適用される場合と、そうでない場合がありますので、作成時には医師としっかり相談する必要があります。

入れ歯を清潔にする重要性

口の中には何億といった数の細菌が存在します。入れ歯を清潔に保つことは、細菌の繁殖を抑え、口腔内のトラブルを防ぐことができます。

また、口臭や口内炎を防ぐこともでき、部分入れ歯では残歯の虫歯等を守ってくれます。
入れ歯を使用していると、時間が経つにつれ、入れ歯にヌルヌルが付着していきます。
ヌルヌルの正体は「デンチャープラーク」と呼ばれる生きた細菌です。
これは口腔内だけではなく身体にも悪影響を及ぼす可能性があります。
その為、清潔にすることが入れ歯を長持ちさせ、健康も保つことができます。

入れ歯のお手入れ方法

入れ歯は起床時に装着し、就寝時は外しておくのが基本です。
可能であれば、毎食後にきちんと洗浄するようにしましょう。
その際の洗浄方法やポイントを簡単に説明させて頂きます。

① 入れ歯専用のブラシを使用する。
入れ歯専用のブラシを使用すると磨きやすくなります。

② 通常の歯磨き粉は使用しない。
入れ歯専用の歯磨き粉を使用することで、きれいに仕上がります。
通常の歯磨き粉には研磨剤というものが含まれており、入れ歯に傷がついてしまうので使用は避けましょう。

③ 入れ歯が汚れやすいポイント
「総入れ歯の場合」
義歯床の内側にあるくぼみや、人工歯の間に歯垢などの汚れが溜まりやすくなっています。義歯床から歯の先に向けてブラシを動かすと、うまく汚れを落とす事ができます。

「部分入れ歯の場合」
クラスプ(義歯を固定するために残っている歯に固定するための金具)の部分が最も汚れやすくなっており、ブラシを使用ししっかりと汚れを落としましょう。

入れ歯を失くす原因

失くしてしまっているという事は、おそらく、外す場所や直しておく場所を決めていないということが原因の可能性があります。
入れ歯を外す場所をあらかじめ決めておく事やこの場所でしか入れ歯を外さないと決めておくといいかもしれません。そのため、入れ歯ケースというものが100円ショップでも売ってます。それだけ失くしやすいという事なのでしょう。

このほかにも、驚くべき事例があります。
それは「誤飲(ごいん)」により、なくす事です。

介護施設などでは、入れ歯を飲み込んでしまったという事例がよくあります。
誤飲した場合の対処法ですが、特に痛みなどがなければ問題はなく2~3日、遅くても一週間以内には体外へ排出されます。しかし、腹痛や胃のむかつきなどがある場合はすぐに受診し、胸部・腹部X線撮影をする必要があります。写りにくい物もあるため、出来るだけどんなものを飲み込んだか詳しく担当医に伝える必要があります。
又、ムセ込みや咳が激しい・苦しい場合は頭を下げ、吐き出すようにしてみてください。それでも吐き出せなく苦しい場合は即受診する必要があります。

入れ歯をなくさないように、直しておく場所を決めておく。
誤飲を避けるために、起床時以外は外して直しておくことをお勧めします。

入れ歯がなくても食事はできますか?

結論から申し上げると、食事はできます。
現に入れ歯がなくてもご自由に食事を行える方はたくさんおられます。

ではどのように咀嚼(そしゃく:かみ砕く事)をしているのでしょう?
食事風景を観察していると一見、歯茎で噛んでいる様に見えますが、実際は舌などで上顎などにこすりつけ潰して食べています。

ですが認知機能が低下しておられる方などは、上記の動作が難しく、口の中に溜め込んでしまったり、つぶさずにそのまま飲み込もうとすることがあります。

認知症状が軽いうちは飲み込みに少し時間がかかる程度ですが、ひどくなってくると、飲み込む前にどんどん口の中にいれてしまいます。
このような場合は窒息や誤嚥(食物や唾液が気道に入ってしまう事)の可能性が増えてきますので、注意が必要です。
食事の介助をすることや、食事の形態の変える必要があります。

まとめ

入れ歯を着けなくても食事を食べることはできますが、安全とは言えません。
また、とても高価な物なので、失くさないように工夫する事が大切です。
義歯を嫌がる高齢者の方は、痛みがあったり、違和感から味がしないといった方が多く、使わなくなっていき、結果、食事を摂取しても栄養を吸収しにくい状態といえます。
摂取する栄養が少なくなると、体がやせ細ってしまうと同時に歯茎もやせ、入れ歯が合わなくなり、ますます食べなくなるといった悪い循環が始まってしまいます。

そうならないためにも、義歯を使用し、しっかりとかみ砕き、食物が吸収しやすい状態で摂取する事が重要です。咀嚼(嚙み砕く)することで、脳にも刺激がいき、認知症の予防にもつながります。
食欲は人間が生活していく上で欠かせないものです。

食事をおいしく摂取できるという事は楽しみの一つでもあり、生きていく上でもとても大切な活動です。

できるだけ義歯を使用して食事をおいしく摂取できる環境を作る事をお勧めします。

介護の相談窓口
  • 「今後の生活環境が変わる事への不安」や「介護を使って生活をどうデザインをしていったら良いか」など介護は協力体制で成り立っております。 ちょっとでも解決できる、ストレス軽減できる記事を目指し、一つの相談場所のメディアを目指しております。

介護

1件のコメント

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です