親との最後の時間を迎える準備

死と聞けば悲観的な感情を抱き、その話を避ける人が多いですよね。
しかし、最後の時を整理し確認しておくことでその人らしく生きる事が出来ます。
最後の時まで本人らしく生きることを支える事、本人の意思を尊重することは大事な介護の一部だと思っています。
では、最後の時を整理するとはどういう事なのでしょうか?

目次

終活とは

死と向き合い、自分らしい最後を迎える為の準備のことです。
自分らしい最後を迎える為には、自分らしさを見つける事が必要です。
どんな風に生きてきたのか、どんな風に最後を迎えたいのかを確認し、自分の理想とする最後を迎える為に残された人生を生き抜く事が重要です。
ただ、生かされているのではなく、自分の目標の為に生きる方が充実した最後になりますよね。
私たち家族は本人の希望する最後を迎える事が出来るよう支える事で、その人らしく生きる事ができると思います。

死と向き合う

自分が死んだら…と考えたことはありますか?
まだ、イメージがつかない人が多いと思います。
ですが、誰にも平等に死は必ず訪れます。
しかし、親の死後の希望確認など親の死を待っているようで話したくないと言うのが現状だと思います。
切り出し方は難しいかもしれません。
ですが、本人が判断出来るうちに1度は確認しておくべき事なのではないでしょうか?

親の意思が確認出来るうちに確認しておくこと

1)施設に預けるタイミング(在宅で生活するタイミング)
筋力低下など身体的な機能低下は徐々に進行していく可能性が高く、認知機能がしっかりしていれば、自宅でみれるうちは…と自宅で頑張る人も多いです。
しかし、認知機能の低下の場合、徘徊や火の消し忘れなど危険を伴うものも多く、しっかりと見守れないという理由から施設へ入ってもらう事が多いのではないでしょうか?

では、施設選びはどんなタイミングですれば良いのでしょう?
親が自分の意思で決定できるうちに施設見学に行き、候補を見つけておく必要があります。

入所のタイミングも親と一緒に決めておくことで1人で悩まずにすみますし、親にとっても子供の負担を軽減できて良いのではないでしょうか?

快適な人生の実現に向けた施設入所のタイミングは?

2)延命処置はどこまでするか
延命処置といえば少し難しいかもしれません。
例えば心臓が止まってしまった時、心臓マッサージをするのか、人工呼吸器を使うのか血圧を上げる薬は使うのかなど、命を引き伸ばすための処置を延命処置といいます。
一度人工呼吸器を使ってしまえば、こちらの都合で外す事は出来ません。
意識がない状態になった時、慌ててしまわないように、要介護者本人を交えて家族みんなで話し合う必要があります。
心臓マッサージでは肋骨が折れる事があります。
人工呼吸器では挿管チューブという管を口から入れて機械で呼吸をさせます。
このような意識があれば苦しくて出来ない処置を、死を目前にして開始するかしっかりと話しましょう。

血圧が下がった時に使う点滴くらいはしてあげたい。苦しくないように酸素だけはかがせてあげたい。
苦しさや痛みだけとってもらいたい。など

死を目前にした時どこまで延命をするのかを、要介護者と家族が納得いくまで話す必要があります。
また、死が目前ではなくても、食事でうまく飲み込めず肺炎を繰り返すようになったり食事が出来なくなった際に、胃瘻という管をおなかから直接胃につなぎ流動食という栄養価の高い水分を入れる事があります。点滴が入りずらくなってきた場合にCVポートという人工の血管を作る方法や大きな静脈に管を入れる中心静脈カテーテルと言われるものを入れる方法など、死期を遅らせるための方法もあります。

このような判断は状況にもよりますが、家族が判断するには精神的な負担が大きいのではないでしょうか?
そうなる前に本人を含めて決めておく事で、親を失う悲しさの中でこのような判断を強いられることはなくなるのです。

そして、どこで息を引き取りたいのかは確認しておきましょう。
ほとんどの場合、病院でなくなる時代ですが、本人が在宅で息を引き取りたい、あるいは、入居している施設で息を引き取りたいと言った場合、本人の希望をどこまで叶えられるのか検討し、お互いの打開策をみつけておく必要があると思います。

このように、最後の時をしっかり見据える事で、しっかりとお別れが出来るのではないでしょうか?

3)お葬式の事
これまでは死を迎える前のお話でしたが、死後の事も本人の希望を確認しておく必要があります。
本人が残された人に全て任せると言うならそれで良いでしょう。
しかし、ほとんどの人はそうではないでしょう。

「この写真がお気に入りだから遺影はこれにして欲しい。」「遺灰は海に散布して欲しい」「お墓に入るならどこがいい。」「誰と同じお墓にしてほしい。」「お葬式では好きなお花でいっぱいにしてほしい。」「どの服を着て見送ってほしい。」など一言でお葬式といっても沢山の個性が現れるものだと思うのです。

4)遺産について
遺産がなければ、相続争いなんて事も起きないと思いますが、もし、遺産がある場合は、遺言状を書いてもらう必要があります。
こればかりはみんなで一緒に考えるものではないと思いますので、手順を伝えたり弁護士の先生にお願いしたりするなど、親の希望を叶える形をとってください。

まとめ

死を意識する事は気持ちのいいことではないかもしれません。しかし最後の時を話合うことで、親の生きざまを知り考えを知ることで、介護中の支え方が変わってくるのではないでしょうか?
残された時間は誰にも分かりません。
しかし、残された時間の使い方は自分で決める事が出来ます。
最後に良い人生だったと笑顔で死を迎えられるように、準備をすることをおすすめします。

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終活

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