親の介護に伴う離職や転職のポイント

親の介護が必要となると、それまでの自分の生活スタイルを大きく見直す必要が出てきますよね。
親の介護の時間に合わせる為、同居の為のUターンなどの理由から、仕事の見直しが必要になることも多いのではないでしょうか。
そんな時、離職してしまうのか、転職するのか悩むと思います。
今回は離職して良い場合、転職の方が良い場合の違いと、転職時のポイントについてご説明したいと思います。

目次

離職していい場合

離職の年齢を迎えていたり一定の収入(年金や家賃収入等)があり生活費用が確保出来る場合、退職ししっかりと親を支える体制を作って良いのではないでしょうか?

ただし、退職し社会との接点がなくなることで、疎外感を覚え孤独に陥ることがあります。
孤独からのうつ病発症には注意が必要ですので、適度に介護サービスの利用や社会との接点を持つことをおすすめします。

転職のほうがいい場合

離職者の約75%が経済面での負担が増大したというアンケート結果があります。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」. (平成24年度厚生労働省委託調査)

そして暮らしていくための生活費が追加で必要となりますので、その資金が捻出出来ない場合は再就職が必要になります。

総務省の「介護施策に関する行政評価・監視」によると平成28年の調査で、介護者と要介護者の同居は全体の58.7%をしめているように、仕事と介護の両立が求められる時代となってきています。

介護施策に関する行政評価・監視(総務省)

上手に仕事と介護の両立をするために、現職で介護の状況を整えるのか、転職するのかしっかり検討することが必要です。

転職のメリット

1)希望する介護内容を実施することが出来る。
介護量で介護にかかる時間も費用も変わりますよね。
自分でどんな介護がしたいのか、月にかかる費用がどの程度になるのか、介護に費やす時間をどう調整するのか計画を立ててそれに即した会社に就職出来れば、自分の希望する介護スタイルに近づける事が出来ます。
何を大事にしたいのかで、職場に求める条件は変わってくると思うので転職前にしっかりと自分の気持ちを整理して置くことをおすすめします。

2)心身の負担軽減に繋がる
無理をしてしまえば、体調を崩す原因になったり、精神的に追い込まれるなど負担が大きくなってしまいます。
そこで、自分の条件にあった職場を探す事で、ある程度無理のない計画を立てる事が出来るので追い込まれなくてすみます。

転職のデメリット

1)収入減
介護に時間を要するため、転職前より時短の仕事となる場合がほとんどだと思います。
そうなると、収入減少に繋がります。
要介護者に年金や不労所得など一定の収入がある場合は問題にはなりませんが、介護にも費用がかかるため、収入減がもたらす影響は大きいのではないでしょうか?

2)再就職が決まりにくい
親の介護を理由に辞めてしまった場合、雇用側はやはり、雇用後の介護状況が気になりますよね。介護が会社の不利益にならないようある程度の工夫は必要になります。
好条件での就職先が確保出来てたなら転職することをおすすめいたします。
しかし、好条件での再就職先は決まりにくいのが事実です。
まずは、現職での継続出来る条件を考え、職場と相談することが必要だと思っています。
介護休暇や雇用形態の変更に伴う時短就業や出勤日数の変更など自分の妥協できる範囲と会社側の妥協出来る範囲をすり合わせる事も必要だと思います。

転職時のポイント

まずは、介護の流れや収支についてシミュレーションしてみましょう。
何時ころ出社して、何時に帰宅すれば介護が可能なのか、収入がいくらなら生活可能なのかを確認することが必要です。
そして、自分に必要最低限の福利厚生の確認をします。
介護休暇があるのか、年間休日数はどれくらいあるのか、平均残業時間など自分の介護に必要な条件を確認し転職先を決めることで、仕事と介護の両立が可能となります。
全ての条件がそろっている職場は簡単に見つからないと思います。
大事なのは自分がここだけは譲れないというポイントを確認しておく事です。

また、最近は在宅での仕事もありますので、しっかりと準備や実績を残した上で転職するのもよいかと思います。

注意したいこと

転職や退職を決める際に、「自分が頑張れば。自分が我慢すれば。」と無理な計画を立ててしまうと、疲労の蓄積により倒れてしまったり、精神的に追い込まれ介護虐待に繋がる事もあります。
計画を立てる際は少しゆとりのある計画にすることをおすすすめします。

まとめ

まずは介護に対する自分の考えを整理しましょう。
介護に費やす時間や費用など、無理のない計画を立てる事が大切です。
その上で、仕事のあり方を検討する必要があります。
孤独に陥らないよう社会との交流を持ち、介護保険制度などもうまく活用しながら環境を整えていく事が大切です。

介護の相談窓口
  • 「今後の生活環境が変わる事への不安」や「介護を使って生活をどうデザインをしていったら良いか」など介護は協力体制で成り立っております。 ちょっとでも解決できる、ストレス軽減できる記事を目指し、一つの相談場所のメディアを目指しております。

介護転職

3件のコメント

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です