転倒の原因や効果的な運動方法
「転倒しない体をつくるためにはどうしたらいいのか?」
介護や医療の現場ではよく耳にする「転倒事故」冬の寒い時期になると、その比率が一気に上がります。
なぜ冬になると、転倒の事故が増えるのでしょうか?
まずは原因から説明していきましょう。
目次
転倒する原因
転倒する原因は、環境や状況にもよりますが、屋内よりも、屋外で起きる事の方が多いです。
例えば、冬場に暖房のきいた暖かい部屋から外に出ると、寒さで身が引き締まりますよね。高齢者に限らず、急激な温度変化により身体中の筋肉が固まってしまい、
その結果、足の動きが悪くなり、自分では足を上げているつもりが、思っているよりも足が上がっていないことに気づかず、転倒してしまうことが多くあります。
この他にも、転倒しやすい方の特徴をまとめましたので、参考にしてみて下さい。
転倒しやすい人の特徴
・すり足で歩いている(足があがっていない)
・歩幅が狭い
・踵からではなく、つま先から歩いている
・目線が下を向いている
・腰が曲がっている
・栄養不足(食事量が減る)など
転倒しない身体を作るためには?
・転倒予防の体操をする!
・腸腰筋の体操
【腸腰筋(ちょうようきん)とは、上半身と下半身をつなぐ筋肉】
(目的)
腸腰筋力は、太ももや脚を持ち上げる時に使われる筋肉です。低下するとすり足歩行になってしまうので、足を高く上げるために行います。腸腰筋が固まると腰痛の原因になります。
(効果)
足の上がりが良くなり、段差でつまづくことが減り、階段も楽に上がることができ、歩行スピードも速くなります。
腰痛予防・改善にもつながります。
・イスに浅く座り、片足を真っ直ぐ上げ両手でかかえこみます。
そのまま5秒~10秒数えて、ゆっくり下ろします。
・右足と左足を交互に5回ずつ、計10回行います。
※背中は丸めないようにしましょう。
(効果)歩いても疲れにくくなり、長い
・大腿四頭筋の体操
【大腿四頭筋(だいたいしとうきん)とは、太ももの前に筋肉】
(目的)
大腿四頭筋は、歩く時に一番使われる筋肉です。低下すると血流が悪くなり、冷え性やむくみの原因となるので、解消のためにも行います。さらに、体重が増加すると膝への負担がかかり膝の痛みがでる可能性があります。
(効果)
距離を歩けるようになります。
バランス機能も安定し、体のふらつきが減少します。
膝の痛みの軽減・予防にもつながります。
・片足をゆっくり上げて、膝を伸ばし、そのまま5秒~10秒数えて、ゆっくり下ろします。
・上げた太ももの前側が、硬くなっていれば、筋力が上手く使われている証拠です。
・右足と左足を交互に5回ずつ、計10回行います。
※バランスを崩しやすい方は、手でしっかり、支えて行いましょう。
・前頸骨筋の体操
【前脛骨筋(ぜんけいこつきん)とは、足のスネの筋肉】
(目的)
前頸骨筋は、足首を動かす筋肉です。低下すると、つま先を持ち上げにくくなります。平坦な道でもつまずきやすくなり、転倒の原因になります。
(効果)
つま先が上がりやすくなり、歩行しやすくなります。また、立ち上がり動作も安定させることができます。
ふくらはぎが疲れにくくなり、足の血流が良くなり、足のむくみやこむら返りの予防にもつながります。
この3つの体操をすることで、歩行に特に重要な筋肉の強化を図ることができ、大幅に転倒の危険を排することができます。
これらの体操を行うにあたり、更に効果的な方法がありますので、注意点と共に紹介します。
効果的に行うポイント
体操をすると、動かすことに意識が向いてしまい、息を止めて行う方が多くいます。
それでは血圧が上がり、心臓に負担がかかてしまい、本末転倒です。
そんな時は、声を出しながら体操をしましょう。
すると自然と呼吸ができます。
体操を行う時の注意点
体操を行う時は、空腹時や食後30分以内は避けましょう。
・空腹時は血糖値が低下しているので、体操をするとめまいなどを起こすことがあります。
・食後すぐに体操をすると心臓に負担がかかる危険性があります。
・痛みが出る時は無理をせず、痛みが出ない範囲で行いましょう。
・きれいな歩き方で転倒予防!
・できるだけ高く足を上げて歩く
・歩幅を広げ、ゆっくり歩く
・つま先で地面を蹴って、踵から歩く
・あごを引き、目線をあげ、視野を広くして歩く
・前傾姿勢にならないように背筋を伸ばして歩く
これらを意識して歩くことで、さらに筋力がアップし、体力もつけることができます。
とは言え、一度に全てを意識しながら歩くと、逆にカクカクした変な歩き方になってしまいますので、一つずつでもいいので、改善していきましょう。
また、人の集中力はなかなか長く持ちません。
初めのうちは20分~30分の歩行トレーニングから始める事をおススメします。
・骨を強くする!
骨が弱くなると、背中が丸くなったり、姿勢が悪くなります。
そのため、体のバランスが崩れやすくなり、転倒の危険性が高まります。
また、転倒して手をついただけで骨折したり、つまずく程度の打撲でも骨折することがあります。
転倒に限らず、怪我の予防のためにも、骨を強くすることは大切です。
骨を強くする方法
これは一般的にも有名な話ですが、強い骨を作るにはとにかくカルシウムを多く含んだ食品を摂取する事です。
しかし、ただカルシウムを摂取するだけでは、なかなか強い骨を作る事はできません。
カルシウムの吸収を良くし、さらに骨へ沈着させるための栄養素がビタミンⅮとビタミンBです。これらを同時に摂取することで、一段と強い骨作りをすることができます。
転倒しない為の食品紹介
・カルシウム含む食品 (牛乳・ヨーグルト・豆腐・ごま・しじみ・小松菜 等)
・ビタミンD含む食品 (サケ・サンマ・干し椎茸・きくらげ 等)【食事以外にも、日光にあたると体内でつくられます】。
・ビタミンK含む食品(キャベツ・ブロッコリー・納豆・鶏もも肉 等)
※タバコやお酒の飲み過ぎは、カルシウムの吸収を悪くします。
まとめ
ここにあげた3つのポイントは、いずれもお手軽にできるものとなっています。
少しの心掛けで、転倒の危険性は格段に減少します。
ぜひこれらを参考に、転倒への不安を減らし、健康な体づくりを目指しましょう!
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