【介護と災害】大地震が起きても、慌てないないために『今』知っておくべきこと

2011年(平成23年)3月11日以降も大きな地震や災害が続く日本。
今後も甚大な被害が予想される地震が、日本各地で予想されています。
この記事では、地震による万が一の緊急時について、介護の視点で起き得る問題と、今からできる備えについて執筆しています。

目次

介護の視点で考えてみた。大地震によって高齢者に影響がでる場面

万が一、大地震が起きた場合に、高齢者にとってどのような場面で影響が出る可能性があるかを考え、次にまとめています。

1.災害発生時に情報が手に入りにくくなってしまう
2.避難が困難な状況に陥ってしまう
3.避難先での生活が困難、適応が難しく体調を崩してしまう恐れがある
4.身の安全が守りづらくなってしまう

災害発生時に情報が手に入りにくくなってしまう
スマートフォンやパソコン、ラジオ、テレビや新聞など、外部の情報を取得するにはいくつかの手段が存在しますが、災害時にはこれらが使用できない場合があります。
その様な場合でも、家族や地域とのコミュニケーションがあり、情報収集の手段があれば問題は比較的解決に導かれることもあります。
しかし、独居や、地域とのコミュニティーがない高齢者は、外部の情報が入りづらくなってしまい、災害発生後の生活で困ったことが起きても、対応できなかったりと、情報弱者になってしまうことがあります。

避難が困難な状況に陥ってしまう
若年者と比較し、高齢者は寝たきりであったり、移動にも車いすや杖などの       補助具の使用が必要な割合が高くなります。
地震発生の場合、普段と同じような環境や状態で移動することができず、避難が困難になってしまうことが考えられます。
避難途中でケガをしてしまったりすることもあり、避難ができないという現実は、命が危険にさらされることに繋がります。

避難先での生活が困難、適応が難しく体調を崩してしまう恐れがある
甚大な被害が発生するほどの地震であった場合、長期による避難をし、継続した避難生活を送らざるを得ないこともあります。
いつもと異なった環境で生活を送る場合、ストレスを抱えることが多いのは誰しも同じですが、高齢者は特に強いストレスを感じやすくなります。
高齢者の場合、人によっては、不穏行動や認知症が悪化することもあり、避難生活先で、不適切と取られてしまう行動を起こすこともあり、適応が難しいと言えます。
また、精神面だけでなく、身体面にも異常をきたし、体調を崩してしまうこともあります。

身の安全が守りづらくなってしまう
情報弱者になるという点にも関係していますが、地震に関係する警報が発令されても、これまでに災害を経験「大丈夫であろう」等の思い込みから、避難をしない等の行動を取り、身の安全が守りづらくなってしまうというケースも考えられます。
また、ハザードマップ等の存在を知らずに、避難場所を誤ってしまうこともありえます。

地震発生前に『今』できる準備とは

先に、地震が発生した場合に想定される、高齢者に困難な状況をお伝えしました。
その点を踏まえ、地震が起きていない『今』からできる、準備について考えていきます。

・災害等(緊急時)の連絡先をまとめておく
・避難バックや保存食の用意をしておく
・地域の避難先などの情報を仕入れておく
・地域で行っている防災訓練に参加する
・自宅内の環境を整える

災害等(緊急時)の連絡先をまとめておく
緊急時に、近所に家族が住んでいなかったり、頼りにできる人とのコミュニティが存在しない方もいらっしゃいます。
家族や、地域の民生委員、友人など、緊急時の連絡先を用紙にまとめておきましょう。
一か所でなく、自宅内に数か所貼っておくことで、災害が起こっても、連絡先がわからずに困るといったことは減るはずです。

避難バックや保存食の用意をしておく
日頃より内服している常備薬や、オムツ、生活に必要な医療機器等、避難の際に必要となる物を用意しておきましょう。
特に介護が必要な高齢者の場合、これらの介護用品が、すぐに手にはいらないこともあります。
また、日頃食べ慣れている食品や、介護食などの保存食を用意しておきましょう。
「ローリングストック」(*1)を意識し、食事や介護用品を普段から揃えておくこともポイントです。

地域の避難先などの情報を仕入れておく
緊急時は予期せぬ状況が多数発生するだけでなく、広域避難所や津波のハザードマップなど、住んでいる地域の情報について、不足しやすくなることが多いと言われています。

地域で行っている防災訓練に参加する
各自治体が定期的に行っている、地域単位の防災訓練に参加することで、地震発生時の動きについて、把握することができます。
また、地域住民の方との交流の窓口にもなり、場合によっては人との繋がりができたりと、独居の方の場合、自身の存在を周囲に知らせることができるのも、メリットとなるはずです。

自宅内の環境を整える
高さの高い家具や、床に物が散らばっている、出入口を塞いでしまっているなど、地震発生時に、避難ができない状態を作らないよう、日頃から、自宅内の環境を整えておきます。
また、災害により、家具の移動や落下を防ぐために、家具を固定したりといった対策も大切です。

まとめ

地震などの災害時に、高齢者にとって、弱点となる場面が、いくつか存在します。
情報弱者になってしまう傾向にあることや、避難が困難となる、長期の避難生活により体調を崩すといったことが挙げられます。
そのため、地震のために、日頃から備えておくことが大切です。
災害時の連絡先をまとめることや、避難用品を準備するだけでなく、地域の避難訓練などにも参加することをおすすめします。
特に独居の高齢者の場合、地域との繋がりを作っておくことは非常に重要と言えます。

(*1)「ローリングストック」…普段消費する、食品や衛生用品などを少し多めに買い置きしておき、賞味期限や使用期限を考え、古いものから消費します。消費した分を買い足すことにより、一定量の食品や衛生用品などが、常に家庭で備蓄されている状態を保つための方法のことを言います。

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