ヤングケアラーとは?介護する子どもたち

2021年の流行語大賞にノミネートされている「ヤングケアラー」。ニュースでも話題になることも多く、ヤングケアラーと言うワードをご存じの方も多いはずです。この記事では、介護にも関係するヤングケアラーについてまとめています。

目次

ヤングケアラーの子どもたちとは

ヤングケアラーとは、一般に、「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている18歳未満の子ども」とされています。家族にケアを要する人が存在する場合、大人が担うようなケアや責任を引き受け、家事や家族の世話や介護、感情面のサポートを行っています。ヤングケアラーに法律上の定義はありません。ヤングケアラー達は、日常で次のようなケアを行っています。

• 障害や病気を抱える家族に代わって、買い物や料理、掃除、洗濯などの家事を行う

・障害や病気を抱える家族の身の回りの世話をする

・ガンや難病、精神疾患など慢性的な病気を抱える家族の看病を行う

・アルコールや薬物、ギャンブル等に関する問題を抱える家族のフォローをしている

・家計を支えるために、アルバイトなどの労働をして、障害や病気を抱える家族を経済的に支えている

・家族に代わり、幼い兄弟姉妹の世話をする

・障害や病気を抱える兄弟姉妹の世話や見守りを行う

・認知症や精神疾患等を抱え、目が離せない家族の見守りや、声掛けなどの気遣いを行う

・家族が日本語が第一言語でない場合や、障害を抱える家族のために通訳を行う

・障害や病気を抱える家族のトイレや入浴の介助を行っている

ヤングケアラーの実際

厚生労働省が行った中学校・高校における学校におけるヤングケアラーへの対応に関するアンケート調査結果(*1)によると,ヤングケアラーに該当すると思われる子どもの有無について聞いたところ、「いる」と応えた割合が、が中学校で 46.6%、全日制高校で 49.8%となっている。また定時制高校では、70.4% 通信制高校では60.0%といずれも高い割合となっています。

ヤングケアラー達の、家族や兄弟姉妹へのフォローは多岐に渡ります。先に挙げた、ヤングケアラーに該当すると思われる子どもの割合から、さらに細かく見ていくと、中学校、全日制高校 では、「家族の代わりに、幼い兄弟の世話をしている」(中学校 79.8%、全日制高70.2%)が最も高くなっている。次いで、中学校では、「障がいや病気のある家族に代わり、家事(買い物、料理、洗濯、掃除など)をしている」が 29.3%、全日制高校では 「家計を支えるために、アルバイト等をしている」が 64.5%となっています。

ヤングケアラー達が苦しんでいても、自らをヤングケアラーであると認識していない、「潜在的なヤングケアラー」も存在していると考えられています。潜在的なヤングケアラーが生まれる理由として、中高生には、大人以上にヤングケアラーという存在が、認識されていないからだと言われています。その点を踏まえると、ヤングケアラーに該当する子どもの数は、アンケート結果より導き出されている数値より、上回る可能性があります。

ヤングケアラーが、なぜ問題なのか

家族の介護やケア、身の回りの世話などは、本来、子どもが担うべきものではありません。年齢や成長の度合いに見合っていない、重い責任や負担を背負わされ、家族の介護やケア、世話をすることにより、勉強や、やるべきこと、したいことが満足にできず、その子ども自身の成長や教育に影響がでてしまう場合があります。

「家庭内の問題」であるとされがちなヤングケアラーは、周囲から気づかれづらいことも多く、支援が行き届いていないことも少なくありません。ヤングケアラーに該当する子どもたちは、家族の介護や世話をするのは当然のこととなってしまう傾向にあり、相談にのってくれる大人が周囲におらず、苦しい思いをしていても、SOSを出すことができない場合があります。

またヤングケアラーは育児放棄(ネグレクト)に合っていることもあり、より子どもが危険にさらされやすくなっていると考えられています。ヤングケアラー達には、多くの問題が潜んでいると考えられています。

ヤングケアラーたちのサポート

ヤングケアラー達のサポートはどのような所で、おこなわれているのでしょうか。身近な方にヤングケラーだと思われる方にもご紹介できるようにまとめました。

都道府県、指定都市等が設置する機関に児童相談所と呼ばれる機関があります。子どもの健やかな成長を考え、子どもに関する問題が発生した場合、解決していく専門の相談窓口となります。虐待の相談以外にも、子どもの福祉に関する相談も受け付けてくれます。令和3年7月より通話料は無料で24時間受付となっています。 

電話番号:0120-189-783 (フリーダイヤル) 
受付時間:24時間受付(年中無休) 

いじめ、子供のSOS全般について、子どもや保護者が夜間・休日を含めて24時間相談できる、都道府県、指定都市教育委員会が運営している、全国共通の相談ダイヤルです。通話料は無料です。教育委員会の相談機関につながります。

電話番号:0120-0-78310(フリーダイヤル)
受付時間:24時間受付(年中無休) ※通話料無料

ヤングケアラー達は、家族のことで精いっぱいで、自分のことが手につかず、精神的に不安で落ち着かないとお悩みを持つ方も少なくありません。この相談窓口は、精神保健福祉士につながる「子どもと家族の相談窓口」です。電話で話しづらい方でも、メールで対応してくれ、急ぎの場合には、電話でも対応可能となっています。

家族をケア・介護しているケアラー同士が家庭状況や悩みを語り合い、課題解決に向けて意見交換をし、ケアラーとして必要な福祉制度やサービスを学ぶことで、将来の不安を解消することに役立てることができます。
オンラインでの交流会の他、各種講座や講演活動・キャンプや交流会などのイベントや勉強会の企画運営もおこなっています。

介護の相談窓口
  • 「今後の生活環境が変わる事への不安」や「介護を使って生活をどうデザインをしていったら良いか」など介護は協力体制で成り立っております。 ちょっとでも解決できる、ストレス軽減できる記事を目指し、一つの相談場所のメディアを目指しております。

子供として出来る事

7件のコメント