施設で暮らす両親への介護が不十分!?なかなか担当に言いにくい⁉︎
コロナ禍により、介護施設面会の自粛を促してところが多くなりました。
入居している両親と会う機会が減ってしまい、心配される方も多いのではないでしょうか。
しかし、以前、両親の面会時にこんなことはありませんでしたか?
・一日中、パジャマのまま過ごしている
・お昼なのに、目やにがついたままになっている
・靴下が左右で違う柄を履いている
などなど。
このようなことが続くと、「両親は適切な介護や生活の支援を受けているのだろうか」と不安になりますよね。
「自分たちが介護に携わらず、お世話になっているから、なかなか施設の職員に対して意見がしにくい」
と言った声をよく耳にします。
中にはズバズバ意見をする方もいるようですが、苦言などを言うことによって、「両親が嫌われたりしないとも言い切れないし・・・」
というような事も考えてしまいます。
このような場合、どういう言い方が好ましいのでしょうか。
今回は施設に住む両親の環境や職員の対応などで注意すべき点や、改善策を紹介したいと思います。
目次
生活環境や本人のお部屋はどんな感じ?
まず一つ目に注意するところは、住んでいるお部屋の状況です。
お部屋といっても、4人部屋から個室まで、施設により形態も広さも異なりますが、最低限プライバシーが保護された空間が居室となります。
① 掃除の状況
施設によって、個別で行われたり、大きい施設ですと専門の清掃員が行っている所もあります。
床の汚れや、トイレなど、最低限使用する箇所が汚れていないか確認しましょう。
電気のつけっぱなしや、ドアの開けっ放しなどもあります。
② 整理整頓状況
物が出しっぱなしになっていないか、危険物が置きっぱなしになっていないかなど確認しましょう。
中にはベッド周りに必要なものをまとめておいてある場合がありますが、座りっぱなしの生活になっている可能性があります。
それだけで日中の活動量は減ってしまいます。
布団が畳まれているかなども見てみましょう。
③ 部屋の温度や匂い
食べた後の物や、排泄物などのゴミが部屋に置かれていませんか?
施設などは基本、毎日ゴミを捨てます。衛生面を整備する事はとても重要です。
また、適度な換気が行われているか、確認しましょう。
本人の生活状態
本人の生活スタイルにもよりますが、いくら本人の自由とはいえ、汚れたままの服を着ていたり、片方しか靴下をはいていないなど、明らかに目が行き届いていない事もよくあります。
① 容姿
目ヤニやがついていたり、髪の毛がボサボサのまま過ごされてはいませんか?
朝起きて、そのままの状態で、一日中パジャマで過ごされる方もいますが、身なりを整える「整容」は、生活にメリハリをつけるためにも、とても効果的です。
② 生活動作
以前は歩いていたのに、車イスを使用しているという事はありませんか?
歩くことが危なくなったからと言って、すぐに車イスを使用するわけではありません。必ず理由があります。
まだまだ歩く能力が残っているのに、それを奪ってしまうような対応は、介護の理念ではありません。必ず理由を聞きましょう。
また、食事スピードが遅くなったからと言って、食事介助が始まる場合があります。これは残存能力を奪うだけでなく、本人の意欲も削いでしまう恐れがありますので、必ず理由を聞きましょう。
③認知状態
もの忘れが進んでしまっていることはありませんか?もちろん認知症は進行する病気ですから、事象としては起こりえる事ですが、急に進行する場合もあります。
認知症の種類にもよりますが、別人のように変わってしまったり、生きる覇気がないような廃用症候群やウツなどの症状が現れる場合は、なにかしらストレスや環境の変化が要因となっている事があります。会話の内容や言葉遣いの変化などを確認しておきましょう。
介護職員
施設の規模にもよりますが、従事する職員の配置人数は決められております。多けれ安心ですが、少ないところですと、バタバタと動き回っていたり、話しかけるタイミングも気を使わなければいけないような所もあります。
① 人数
時間にもよりますが、大体何人ぐらいの従業員がいるのかは知っておきましょう。
介護施設はおもにシフト制ですので、一度に全員が出勤していることはほぼありません。
職員の年齢層や各時間の出勤人数など見ておきましょう。
②動き
なかなか仕事内容を把握する事はできませんが、どのような動きをしているのか見ておくこともお勧めします。
施設では、なかなかゆっくりと話す時間を作る事が難しいといわれていますが、ほんの少し立ち止まるだけでも、声をかける事ができます。
目の前の仕事にいそしんでいるのか、全体を見ながら動いているのか、確認しておきましょう。
③仲の良さ
職員同士の中へ入っていくわけにはいきませんので、ふとした時の職員同士の関係性を確認しておきましょう。介護はチームケアが大切です。だれか一人が違うことをすれば、困惑するのは利用者です。職員同士が仲よく、和気あいあいとしていると自然と笑顔もこぼれるものです。
改善策
ここでは上記のようなことが頻繁にみられる場合、どういう対処をすればいいのか紹介をしていきます。
① 話しかけやすい職員に、一つずつ解消してほしい事を伝える。
・改善点がたくさんあったとして、一度に伝えても、全て改善するとは限りません。
できるだけ一つずつ伝えるようにしましょう。
・話しかけやすい職員や仲良くできそうな職員を一人作りましょう。
職員も人間ですから、苦手な人や、話ずらい人もいます。
・各フロアの責任者や、介護主任にも相談しましょう。
話がスムーズに進みます。
② ご意見BOXなどを利用する。
・ほとんどの施設には、匿名で施設側に伝えることができるシステムが存在します。
中でもご意見BOXは会議などでも紹介されるくらい、活用されるサービスです。
積極的に投稿する事をお勧めします。
③ 苦情・相談窓口を利用する。
・介護保険では「苦情・相談窓口」の設置が義務付けられております。
また、苦情を受けた場合や対応方法なども、公表する義務があります。大きい施設だと委員会で毎月のように会議をされている所もあります。
・施設だけではなく、市町村にも相談窓口があります。役所の介護保険課にも設置されておりますので、改善が見られない場合は利用を検討する事もできます。
・公的団体として国民健康保険団体にも相談窓口が設置されております。こちらも
利用できますので、契約書などに記載がされております。
まとめ
「お世話になっているので、なかなか言いにくい」というのは、相手を気遣った素晴らしい感情です。
日本人のいいところではないでしょうか。
しかし、苦言は決して悪いことではありません。
介護保険は、高齢者の自立を支援したり、家族だけが支える介護負担をサポートするために生まれた制度です。
「利用者本位」である以上、求めるものも多種多様です。
そのニーズに応えるために、介護保険サービスは細分化してきました。
介護保険サービスをより良いもの、より質の高いものにしていくためには、「苦言」ではなく、「助言」というべきかもしれません。
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